「Summary」グルカゴン様ペプチド(GLP)-1受容体作動薬は, GLP-1ペプチド構造に修飾を加えてGLP-1を不活化するジペプチジルペプチダーゼ(DPP)-4に抵抗性をもたせたGLP-1アナログ製剤と, 相同性は低いがGLP-1受容体アゴニスト作用を有するexendin-4とその誘導体に大別され, これらはともにGLP-1受容体に作用してGLP-1作用を増強する. わが国では2010年から臨床使用が可能となり, 現在リラグルチド, エキセナチドの2剤が使用可能となっている. GLP-1はブドウ糖応答性のインスリン分泌増強やグルカゴンの分泌抑制を介した血糖降下作用のほか, 膵β細胞の保護効果, 体重減少効果, 心血管系の保護効果などの多面的な作用を有することが明らかとされている. GLP-1受容体作動薬にもこれらの作用を介した臨床効果が期待されており, 糖尿病治療における血糖降下作用はもちろん, その他の臨床効果を示した知見にも注目が集まっている.
特集 インクレチンと心血管障害
GLP-1受容体作動薬の基礎と臨床
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.12 No.1 17-26,
2013
著者名
濱崎 暁洋
/
稲垣 暢也
記事体裁
抄録
疾患領域
糖尿病
診療科目
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
/
神経内科
/
循環器内科
/
一般内科
媒体
Angiology Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。