新刊
小児に多い耳鼻咽喉科疾患
鼻領域 上顎洞性後鼻孔ポリープ
掲載誌
鼻アレルギーフロンティア
Vol.26 No.1 20-23,
2026
著者名
中山 次久
記事体裁
抄録
疾患領域
耳鼻科疾患
診療科目
耳鼻咽喉科
媒体
鼻アレルギーフロンティア
上顎洞性後鼻孔ポリープ(antrochoanal polyp:ACP)は、上顎洞粘膜に由来するポリープが、上顎洞の副孔もしくは自然孔を介して後鼻孔へと進展する疾患である。通常、片側性に発症し、小児における罹患頻度が比較的高いことが知られている。上顎洞性後鼻孔ポリープの有病率については、1980年の米国からの報告では、小児において認められた鼻茸120症例の33%で上顎洞性後鼻孔ポリープが認められたとされている。また、さらに古いデータではあるが、米国では1938~1947年にMayo Clinic で診断された成人を含めた鼻茸1,720症例のうち64例(3.5%)が上顎洞性後鼻孔ポリープであったとされている。また本邦からは、慢性鼻副鼻腔炎に対して手術を行った成人を含む728症例のうち15例(2.1%)で認められたとの報告もある。以上から、小児の鼻腔に認められる腫瘤性病変の鑑別診断において、上顎洞性後鼻孔ポリープは重要な疾患として位置付けられる。しかしながら、本疾患は小児に特有の病態ではなく、年齢にかかわらず発症し得る点に留意が必要である。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

