耳鼻咽喉科医にとっては扁桃疾患に遭遇する割合は高く、口蓋扁桃、咽頭扁桃、耳管扁桃、舌扁桃などによりワルダイエル咽頭輪が形成され、生体防御機構に大きな役割を担っている。口蓋扁桃は扁桃のなかでも最も大きく、臨床的に重要である(図1)。

扁桃には急性炎症扁桃疾患として、大きく二つが挙げられ、生理的に起こる扁桃肥大と感染により生じる急性扁桃疾患である。

扁桃は6歳前後に生理的にアデノイド(咽頭扁桃)肥大がピークになり、その後に口蓋扁桃肥大のピークを迎える。そして10歳以降で退縮する1)。個人差が大きく、扁桃の左右差が認められる場合や退縮が遅れる場合には、後述するように鼻呼吸障害や後鼻漏と関連することが多い。