近年開発された鼻噴霧用ステロイド薬は、1日1回投与で強い局所抗炎症作用があり、全身的な副作用が少ないことなどから、アレルギー性鼻炎治療の有力なツールとして存在感が増しています。鼻噴霧用ステロイド薬は、国際的なガイドラインにおいてはアレルギー性鼻炎治療の第一選択薬とされており、わが国の『鼻アレルギー診療ガイドライン』(2020年版)1)においても病型を問わず通年性アレルギー性鼻炎および花粉症に対して軽症以上の患者への使用が推奨されているほか、花粉症の初期療法薬として位置付けられています。今回は、鼻噴霧用ステロイド薬に関する臨床研究に従事しながらアレルギー性鼻炎治療の診断・治療に第一線で活躍をされておられる岡山大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科の檜垣貴哉先生に、鼻噴霧用ステロイド薬の位置付けや現況、課題についてお話を伺いました。