のど(咽喉頭部)の違和感を訴える咽喉頭異常感症は、耳鼻咽喉科の日常診療でしばしば遭遇する症状である。本症は、異常感の明らかな原因を特定できない真性咽喉頭異常感症と、何らかの原因が特定できる症候性(二次性)咽喉頭異常感症に大別される。症候性の原因とその頻度は、局所性要因(80%)、全身的要因(15%)、精神的要因(5%)とされている(表1)1)。不定愁訴と捉えられがちであるが、時に全身性疾患や悪性腫瘍の初発症状となることもあり、注意深い診察と対応が必要である。