アレルギー性鼻炎に対する治療は、患者とのコミュニケーション、抗原除去と回避、薬物療法、アレルゲン免疫療法、手術療法に大別することができる1)。このなかで抗原回避は医師が直接関与しない領域であり、患者個人が自主的に行う最もファンダメンタルな治療ともいえる。例えばマスクやメガネを効果的に着用して花粉の曝露を最小限に抑えることや、家庭内に持ち込まれた花粉に対する対処などのセルフケアが、これに該当する。さらに花粉症患者では日々の花粉飛散情報に注意を払い、花粉飛散の多い日の外出を控えることや、長期的にはその年の花粉飛散予測を確認し、症状に応じた治療へつなげることもセルフケアに含まれる。本邦でみられるスギ・ヒノキ花粉症は2カ月もの間大量の花粉が飛散する特徴があり、非常に重篤な症状を引き起こす世界的にも類をみない季節性アレルギー性鼻炎である。したがって医療機関で行う治療はもとより、その時々の花粉飛散情報を把握することは極めて重要である。本稿では花粉症対策として提供されている花粉飛散情報について概説する。
Special Articles
花粉飛散情報
掲載誌
鼻アレルギーフロンティア
Vol.24 No.1 16-19,
2024
著者名
安田 誠
記事体裁
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
耳鼻科疾患
診療科目
アレルギー科
/
耳鼻咽喉科
媒体
鼻アレルギーフロンティア
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

