ヒノキ(Chamaecyparis obtusa)花粉は春季飛散花粉の一つであり、通常はスギ(Cryptomeria japonica)花粉の飛散後、4月上旬~中旬をピークとして飛散する。スギ花粉症患者の多くはスギ花粉の飛散が終了した後もヒノキ花粉による症状が続くため、現在ではスギ・ヒノキ花粉症(Japanese cedar/cypress pollinosis:JCCP)とも呼ばれる。本稿ではヒノキ花粉症の現状と課題について、2021年度より日本医療研究開発機構(AMED)の免疫アレルギー疾患実用化研究事業で展開されている「重症化ゼロを目指したスギ・ヒノキ花粉症に対するアレルゲン免疫療法の開発」の紹介も含め概説する。