要約  適切な栄養素の摂取は,健全な身体活動を営み,健康の礎石を築くものである。一方で,栄養不足は免疫系の減少や各種疾患の感受性増大,心身発達の障害などを引き起こしかねない。糖尿病や心疾患などの発症には,遺伝的な素因に加えて栄養学的諸問題を内包している。栄養摂取における消化・吸収・貯蔵・代謝など何らかの機能的不全,あるいは栄養バランスの乱れなどは身体に対し重大な障害を招く場合がある。  本稿では,ビタミンの歴史的背景と生理機能について述べ,ビタミンと疾患との関わりについて概説し,統合失調症様症状をきたすビタミン欠乏症についても紹介した。また,ビタミン欠乏を伴う統合失調症の自験例を紹介し,統合失調症の精神的不調からの回復に向けた治療薬・予防薬としてのビタミンB6適応の可能性についても述べた。