ゲノム編集技術(Genome editing)という,各種動物の受精卵の遺伝子改変に代表されるような,様々な動植物の細胞内おいて,人工ヌクレアーゼにより標的配列の切断を誘導することにより,高い効率で遺伝子破壊(Knockout)や配列の挿入(Knockin)などを行うことができる技術が急速に普及している。ゲノム編集技術の中心を担う,人工ヌクレアーゼとは主に以下の3種を指す1)。
・第一世代:ZFN(ジンクフィンガー・ヌクレアーゼ;Zinc finger nuclease)
・第二世代:TALEN(ターレン;Transcription activator-like effector nuclease)
・第三世代:CRISPR-Cas9システム(クリスパー・キャスナイン;Casclustered regulary interspaced short palindromic repeats-CRISPR-associated protein9)
2013年にブレークスルーを引き起こしたCRISPRCas9システムは,化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)における獲得免疫機構を改変したものであり,RNA誘導型のヌクレアーゼStreptococcus pyogenes由来Cas9(SpCas9)およびsgRNA:single guide RNA(crRNA:CRISPR RNAとtracrRNA:trans-activating crRNAのRNA複合体)を細胞内に共発現させることで,14~20塩基の標的配列特異的に切断することができる2 )。