「はじめに」対象空気中の清浄度レベルのうち,浮遊粒子濃度による分類にはISO規格が存在しさまざまな電子分野,バイオ分野で広範囲に共通規格として用いられている。一方,微生物については各産業の特性の違いもあり,これまで統一規格制定には至っていない。本項では,浮遊粒子濃度による空気清浄度規格の現状に至るまでの概略経緯と昨年改訂された最新内容,および細胞加工施設(CPF:Cell Processing Facility)における現状と今後の課題について述べる。
「空気清浄度規格の経緯1)」空気清浄度規格は,米国の核をはじめとする軍事兵器の製造,管理のために陸海空軍のそれぞれの規格および各産業界独自の規格を統合し,1963年米国連邦規格(Fed.Std.209)として発行されたのが最初である。以後,科学技術発展に伴い6回の改訂・追加を重ね,世界各国で利用されてきた。しかし米国規格の単位がヤード・ポンド法に基づいていたため,米国以外の国々ではSI単位を用いた自国の清浄度分類をそれぞれ定めており,日本では1975年にJIS-B9920「クリーンルームの空気清浄度評価法」を制定し,1989年,2002年に改訂している。しかし,その基本は米国連邦規格であり,各々の国で定めた規格は普及せず混乱を招くことが多かった。