その他
山中伸弥教授のノーベル医学・生理学賞受賞に寄せて
掲載誌
再生医療
Vol.11 No.4 5,
2012
著者名
岡野 光夫
/
坪田 一男
記事体裁
抄録
疾患領域
再生医療
診療科目
循環器内科
/
心臓血管外科
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脳神経外科
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整形外科
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形成外科
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皮膚科
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泌尿器科
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眼科
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血液内科
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耳鼻咽喉科
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消化器外科
媒体
再生医療
日本再生医療学会理事の山中伸弥教授(京都大学iPS細胞研究所所長)が2012年ノーベル医学・生理学賞を受賞されました. 素晴らしい受賞の知らせに本学会員一同, 喜びの気持ちでいっぱいです. 山中先生とその研究チームの皆様に心よりお祝い申し上げます. 山中教授がヒト体細胞から作製されたiPS細胞の技術は, このノーベル賞受賞が象徴するように医学界に大変大きなインパクトを与えました. ご存知のようにiPS細胞とはどんな組織にも変化できる多分化能を持つ人工的に作製した幹細胞です. 再生医療研究においては, iPS細胞が実現する以前は受精卵を用いる胚性幹細胞(ES細胞)への倫理的問題が壁となっていました. それが, 皮膚などの体細胞から人工的に多能性を持った幹細胞を作成できる技術の登場で, 倫理的問題の解決のみならずさまざまな利点をもって実現への可能性を大いに高めました. 患者さん自身の細胞から失われた機能や臓器を再生させるといういわゆる再生医療としてのステップはもとより, 難病の疾患のメカニズムの解明と治療や予防の開発, あるいは創薬への応用など, 非常に大きな可能性を広げることとなりました. カロリンスカ研究所のノーベル賞委員会でも, その価値が認められ評価されて, 今回の受賞となりました. 再生医療の原点は, 難病に苦しまれている患者様や事故等で障害を持たれた方への治療の道を開くことです. その確たる思いから, 山中教授も苦労をされながら研究を続けてこられました. この貴重な研究成果を今後しっかりと育て, 医療のさまざまな分野で臨床応用へと発展させることが, 我々に課せられた任務であり, 社会貢献であると改めて強く思う次第であります. 再生医療における臨床応用については, 規制などの問題も多く存在しています. 山中教授が築かれたiPS細胞の技術を, 一日も早く病院の治療の場面で役立てられる日が来ることが待ち望まれます. 山中教授には, 今後ともiPS細胞研究の旗手として, そして再生医療研究のトップリーダーとして, 日本はもとより世界を牽引してさらなる躍進をされますことをお祈り申し上げますとともに, 我々日本再生医療学会はさらに研究者の結集・協同を促進させて, 日本のみならず世界の再生医療の発展に寄与すべく努力して参りたいと思います. 山中伸弥先生, 誠におめでとうございます.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

