用語解説
ハイドロゲル
掲載誌
再生医療
Vol.11 No.3 57-59,
2012
著者名
田畑 泰彦
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
皮膚疾患
/
眼疾患
/
再生医療
診療科目
形成外科
/
皮膚科
/
眼科
/
消化器外科
媒体
再生医療
「ハイドロゲルの定義」ハイドロゲルとは, 水を内部に含む物質の総称である. ゲルとは「あらゆる液体に不溶な三次元構造をもつ高分子物質およびその膨潤体」であり, 液体が水(水を意味する接頭語"ハイドロ")の場合をハイドロゲルと呼ぶ. 具体的には, コンニャク, 寒天, ゼリーのようなものである. 水溶性の多糖類(糖が結合してできた水溶性の高分子物質)やゼラチンなどのタンパク質が異なる分子の間で橋かけ(架橋)され, 三次元構造をもち, 水に溶けないように(水不溶化)したものである. 高分子物質が水に溶けるというのは, 高分子と水との相互作用から説明できる. 高分子自身が水を引きつける性質をもっている時, 高分子の周囲が水で囲まれ, 高分子は水に溶けるようになる. ところが, 水に溶ける高分子でも, 高分子鎖が橋かけされ三次元網目構造をとると, 水に溶けることができず, その網目構造の内部に多くの水を含んだ膨潤体となる. これがハイドロゲルである.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。