巻頭言
COVID-19パンデミック後のインフルエンザ
掲載誌
インフルエンザ
Vol.25 No.2 5-6,
2024
著者名
長谷川 秀樹
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
/
感染症
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
媒体
インフルエンザ
COVID-19のパンデミックにより世界中の人々がその生活の変容を余儀なくされた.2020年初頭以来多くの国ではロックダウンをはじめとする人々の行動制限や接触の制限,またマスク着用等によりワクチンも治療薬もない初期の対応がとられた.その結果多くの呼吸器感染症が伝播しにくい環境が否応なしに形成されインフルエンザをはじめとする他の呼吸器感染症の流行状況を大きく変えた.特にインフルエンザはパンデミック後2年間にわたり世界的にその流行が認められなかった.インフルエンザの流行はその地域の気候や人の免疫状態と流行ウイルスの抗原性によってそのパターンが形成されるが,この2年間は世界中で流行が止まった状態であった.インフルエンザの流行がない状態から流行が戻るとき,パンデミック以前と同様になるのか変化するのか非常に興味深かった.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。