2022年3月に,WHOからインフルエンザ治療ガイドライン,Guidelines for the clinical management of severe illness from influenza virus infections1)が発表された.今回のガイドラインは,2010年のWHO Guidelines for pharmacological management of pandemic influenza A(H1N1) and other influenza viruses2)に続くものである.本ガイドラインは,各国のインフルエンザ対策に大きな影響を与える位置づけにあるが,わが国のインフルエンザ臨床の実情にそぐわない面も見受けられる.同年12月に米国疾病予防管理センター(CDC)から公表された抗インフルエンザ薬の選択基準も考慮しつつ,本ガイドラインの推奨を踏まえたわが国のインフルエンザ治療のあり方について,菅谷憲夫先生に伺った.(聞き手:編集部)