菅谷(司会) ここ数年の米国や欧州のインフルエンザの動向を見ると,1年間流行がなかった後,2021/2022シーズンに小規模な流行が見られ,2022/2023シーズンにはA香港型,A(H3N2)による大きな流行が起こりました.日本では2年間流行がなかったのですが,2022/2023シーズンには300~400万人ほどのA香港型の小規模な流行が起こっており(図1),2023/2024シーズンは大規模なインフルエンザの流行が起こるかもしれません.そこで本日は,2023/2024シーズンのインフルエンザの流行の予測や,それに対する備えについて話し合いたいと思います.
まず加地先生から,2022/2023シーズンの小流行の印象をお聞かせください.
加地 当院の内科ではインフルエンザをあまり診ませんでしたし,高齢の患者さんであふれるようなこともありませんでした.小児科ではそれなりに来院されて,学級閉鎖などもあったようです.