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第5回 抗インフルエンザ薬の過去・現在・未来


掲載誌
インフルエンザ Vol.16 No.2 47-49, 2015
著者名
小澤真 / 河岡 義裕
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器 / 感染症
診療科目
一般内科 / 呼吸器内科 / 耳鼻咽喉科 / 老年科 / 小児科
媒体
インフルエンザ

「抗インフルエンザ薬の歴史」1928年に発見されたペニシリンをはじめとする抗生物質が,多くの細菌性感染症に対して治療効果をあげてきた一方で,これだけ医療技術や科学が発達した現在に至っても,専用の治療薬を処方できるウイルス性感染症は,限られています.さらに,抗ウイルス薬が適用可能なウイルス性感染症のほとんどが,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症やC型肝炎などの慢性感染症です.そのため,急性のウイルス性感染症でありながら,抗ウイルス薬による治療が可能なインフルエンザは,例外中の例外といえます.抗インフルエンザ薬として最初に臨床現場で使われたのが,インフルエンザウイルスのM2蛋白質の機能を阻害するアマンタジン(商品名シンメトレル®)です.パーキンソン病の治療薬としても用いられるアマンタジンは,欧米では1960年代から,1998年以降は日本でも,抗インフルエンザ薬として処方されました.M2蛋白質は,ウイルス粒子の表面で4量体のイオンチャネルを形成し,細胞内に侵入したウイルス粒子がウイルス遺伝子を細胞質内へ放出する過程(脱殻と呼ばれます)において,粒子内部へ水素イオンを取り込む働きを担います.アマンタジンは,M2蛋白質が形成するイオンチャネルに特異的に結合し,水素イオンの流入を阻害することで,ウイルスの増殖を抑制します.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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