スタチンによりLDLコレステロール(LDL-C)値を下げることにより主要心血管イベントは25~35%予防できるが,残余リスクが依然として残る.最近,non-HDLコレステロール(non-HDL-C)という指標が,新たな脂質管理の目標値として用いられるようになってきた.Non-HDL-Cとは総コレステロール値からHDLコレステロール(HDL-C)値を引いたものであり,HDL以外のカイロミクロン,カイロミクロンレムナント,VLDL,IDL(VLDLレムナント),LDL,Lp(a)などの動脈硬化惹起性リポ蛋白に含まれるコレステロールの総和である.Non-HDL-CはLDL-Cに比べて,心血管イベントの予測指標としての有用性が高いことが報告されており,高トリグリセライド血症や食後採血の患者でも評価が可能であるという点で,臨床的には利便性が高いと考えられる.さらに,non-HDL-C測定の利点は測定法として安定している総コレステロールおよびHDL-C値から簡便に計算することができる点である.スタチンを含む多くの脂質異常症治療薬による単独薬物治療では,non-HDL-Cの%減少率と冠動脈疾患発症の%減少率との間にはおおよそ1:1の関係があることが判明している.Non-HDL-CはLDL-Cの管理目標値+30mg/dL未満を管理目標とする.
「Key words」non-HDLコレステロール,レムナント,LDL,冠動脈疾患,管理目標値