ロービジョンとは見え方に何らかの支障がある状態のことをいいます.人間は80%以上の情報を視覚から得ているといわれており,ロービジョンの状態になると,無意識に問題なく行っていた日常生活動作に困難を覚えるようになります.ロービジョンケアとは見え方で困っている患者さんが少しでも生活しやすくなるように,視覚補助具や福祉サービスの活用,日常生活のアドバイスなどで,患者さんの生活の質(QOL)を維持,向上させる手助けをすることを指します.ロービジョンの原因となる眼疾患はさまざまで,眼科的治療で病状が落ち着いていたとしても,持続するみえにくさに患者さんが悩んでいることも少なくはありません.