緑内障における眼圧計に関わる課題は,いかに真の眼圧に近い正確な眼圧測定値を得るかと,測定自体の簡易性・患者負担の軽減とにフォーカスされていた.圧入式眼圧計のSchiotz眼圧計は一定の精度で安定的に眼圧測定ができ,近代的な眼圧計の一里塚である.その後,現在のゴールドスタンダードであるGoldmann圧平式眼圧計が導入されて70年近くを経ている.眼圧測定値に影響する角膜の多様性があることを知りつつも,それを無視して標準的な角膜を意識した測定法が主流であることが1つの問題点であった.角膜厚などの既知のパラメータや,圧平式眼圧計に関わる角膜因子(角膜ヒステリシス)で補正して測定精度を上げる試みが行われたが,確立し広く用いられる補正法はいまだ存在しない.角膜厚の影響を受けにくい眼圧測定原理の眼圧計も開発され,dynamic contour tonometryは臨床の場でも使用されるに至ったが,持続可能な機器ではなかった.
Summing Up
緑内障の検査
掲載誌
Frontiers in Glaucoma
No.69 21-28,
2025
著者名
芝 大介
記事体裁
抄録
/
連載
疾患領域
眼疾患
診療科目
眼科
媒体
Frontiers in Glaucoma
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。