Summary  癌細胞を産生する細胞として癌幹細胞の存在に注目が集まっている。正常組織の幹細胞が自己複製や未分化性を維持する領域は“ニッチ”と呼ばれ,いわゆる幹細胞にとっての生態学的な適所を提供する。正常組織と同様に,癌幹細胞もニッチに棲息していると考えられており,ニッチは細胞毒性のある薬剤や物質から幹細胞を防御する盾としての機能を有することから,癌幹細胞のニッチを構成する細胞や幹細胞性を維持する分子を同定して,ニッチの破綻による癌幹細胞治療法が考慮されつつある。近年,このような癌幹細胞の生態学的適所を提供する微小環境として,血管領域が示唆されてきており,また血管領域での幹細胞性因子の探索が行われつつある。