「SUMMARY」未破裂脳動脈瘤のコイル塞栓術において,術前からの抗血小板療法が一般的に行われており,瘤の形状や治療手技に応じて単剤もしくは2剤併用療法(DAPT)が選択される.ステント併用コイル塞栓術やflow diverter(Pipeline)による治療では,術前から術後3~9ヵ月程度のDAPTが必要と考えられるが,適切な投与方法は不明である.アスピリンやクロピドグレルに対する血小板反応性が,周術期の血栓症や出血イベントの発生に関係する可能性がある.
「はじめに」脳動脈瘤に対する血管内治療は,1990年に開発された離脱型のGulielmi Detachable Coil(GDC)の出現により急速に拡大してきた.基本的に1本のマイクロカテーテルを用いて動脈瘤内にコイルを挿入するシンプルテクニックから始まり,コイルが留置困難なwide neckの動脈瘤ではダブルカテーテルテクニック,バルーン併用療法,ステント併用療法などが行われるようになった.
「KEY WORDS」脳動脈瘤,血管内治療,抗血栓療法,コイル塞栓術,ステント留置術