「Summary」再生医療が期待される分野として,これまで治療困難と言われてきた臓器線維症が挙げられる。なかでも肝線維症数は最多であり,その線維化を引き起こす中心にいるのが肝星細胞と考えられ,同細胞を標的としたさまざまな治療がこれまで試みられてきた。しかし,実際に臨床応用まで進んでいる治療はごくわずかであるという現状がある。一方,膵線維症に対する研究は肝線維症に追随して行われていることが多いが,膵においても線維化の中心を担う細胞が膵星細胞であることから,星細胞を標的とした線維症治療について期待が寄せられるところである。これまで肝および膵の両臓器における線維症治療について行われてきた研究を,星細胞を標的としたものを中心に紹介する。また,HSP47の抑制と星細胞選択的Drug Delivery Systemの開発により画期的な線維症治療薬の開発がなされつつあり,同薬の作用機序について報告する。
特集2 再生医療
3.肝・膵線維化に対する再生治療
Regeneration treatment for liver and pancreatic fibrosis
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.22 No.4 50-54,
2015
著者名
平田 公一
/
太田 盛道
/
鶴間 哲弘
/
水口 徹
/
新津 洋司郎
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
再生医療
診療科目
消化器内科
/
消化器外科
/
一般外科
媒体
Surgery Frontier
Key Words
肝硬変,肝星細胞,慢性膵炎,膵星細胞,脱線維化,HSP47
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。