【特集 癌と微小環境】
Ⅱ.癌の微小環境を標的とした新たな治療戦略 腫瘍内低酸素環境を標的とした癌治療戦略
Strategies for targeting the hypoxic tumor microenvironment
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.21 No.2 47-52,
2014
著者名
近藤科江
記事体裁
抄録
疾患領域
癌
診療科目
一般外科
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呼吸器内科
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脳神経外科
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整形外科
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産婦人科
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消化器内科
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泌尿器科
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腫瘍内科
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小児科
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放射線科
/
消化器外科
媒体
Surgery Frontier
「Summary」組織での局所の低酸素状態は, 炎症を引き起こす. 炎症が慢性化するとほかの要因と相まって, 細胞が癌化しやすい状況になる. 癌化した細胞は, 増殖し塊をつくると, 新たな血管を呼び込むための因子を分泌したり, 血液系の細胞や間質系の細胞を仲間に引き入れたりしながら, 既存組織のなかに新たな組織(腫瘍)をつくる. 腫瘍組織内においても, 未熟な血管やリンパ管形成, 癌細胞の無秩序な増殖により, 慢性・急性の低酸素環境ができ, 低酸素ストレスなどにより活性化される遺伝子の機能により, さらなる血管新生, 増殖亢進や転移関連因子の活性化などが引き起こされる. したがって, 低酸素環境および低酸素によって誘導される因子は, 癌の発生, 増殖, 転移などすべての段階において主要な役割を演じており, これらをコントロールすることは, 癌の予防や早期治療, 悪性化阻止にもきわめて重要である. 本章では, 腫瘍内低酸素環境の概要とそれを攻略すべくわれわれが行っている治療戦略について述べる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

