【特集 癌と微小環境】
Ⅰ.癌の微小環境とは~最新の知見~ EMTと癌微小環境
Epithelial mesenchymal transition and cancer microenvironment
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.21 No.2 35-40,
2014
著者名
齋藤正夫
記事体裁
抄録
疾患領域
癌
診療科目
一般外科
/
消化器内科
/
腫瘍内科
/
消化器外科
媒体
Surgery Frontier
「Summary」転移能の高い癌細胞が, 本来の上皮細胞や低転移癌細胞と形態学的に異なり, 間葉細胞様の形態を示すことは, すでに100年以上前にCajalらにより病理学的に観察されている. 現在では, それがE-cadherinに代表される細胞接着分子などの生化学的な形質変化として認知されている. このような癌細胞の形質変化(分化)が, EMTを誘導するEMT誘導転写因子群によって制御されていることが, 近年明らかとなった. これらの転写因子はTGF-βをはじめとした, さまざまな液性因子や細胞外基質からのシグナルにより発現調節されており, 癌細胞のみならず, 癌微小環境の細胞が, これら液性因子の供給源と考えられている. したがって, これらの転写因子の発現を指標とした診断法や活性を制御できる分化療法は, 臨床上非常に有用と思われる. そこで本稿では, EMT誘導の分子機構における癌微小環境の役割に関し, その概略を紹介したい.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

