【特集 播種治療の展望】
腹膜播種病変に対する腹腔内化学療法―臨床における効果―
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.19 No.2 41-45,
2012
著者名
小寺泰弘
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器内科
/
腫瘍内科
/
消化器外科
媒体
Surgery Frontier
「Summary」胃癌では, 転移再発形式として頻度の高い腹膜転移の制御が重要である. 抗癌剤の局所濃度を上昇させ, 最大限の効果を得るには, 腹腔内投与が合理的と思われ, 過去にはシスプラチンの投与が試みられたが, 十分な効果は示されなかった. 近年, 腹腔内投与時の薬理動態からパクリタキセル(PTX)が有望と考えられており, 実際に, この薬剤の腹腔内投与と経静脈投与をS-1と組み合わせた併用療法(東大レジメン)が第II相試験において胃癌腹膜転移例に対してきわめて良好な治療効果を示した. PTXの腹腔内投与には保険適応がないが, 現在, 切除可能胃癌を対象としたPTX腹腔内投与 vs 経静脈投与と, 非切除例を対象とした東大レジメン vs S-1/シスプラチン療法の2件のランダム化試験が, 高度医療評価制度を利用して行われている. その成果としてPTX腹腔内投与が保険収載され, 実地臨床で腹膜転移の制御を目的に使用可能となることに期待したい.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

