はじめに  細胞培養は多彩な目的で行われる。多くの場合,細胞を増やすことを目的とするので,細胞が増殖しやすい条件が選ばれている。培養した細胞をいろいろな条件に置き,遺伝子発現変化や,細胞挙動変化を解析する多くの研究がある。細胞の反応はその置かれた条件により大きく異なるが,細胞にとって本来の条件はどのようなものか,われわれは理解しているのだろうか? 培養すること自体が非生理的である,と元も子もない討論をしようというわけではない。細胞を取り出し,モデル化することで,生体内の事象を細胞や分子のレベルで解析し理解するのが目的であるから,生体本来の条件を大いに模倣する必要がある。  最近の画像診断技術の進歩は目覚ましい。MD-CTを駆使するとfunctional CTと呼ぶべき情報が得られるようだ。さらにdual-source computed tomographyにより極めて微細な,また時定数の短い測定ができるようになっている。最近主に血管新生阻害薬の適応決定や効果判定予測・判定のサロゲートマーカーに使おうとの試みもある。かつては推測の域を出なかった癌組織の機能情報が,より直接的に観測できるようになった。培養細胞を用いた研究も,生体の機能情報を取り入れることで実際に近いものになることが期待できる。