はじめに  重症の肝疾患に対する最も有効でかつ確立された治療法は,現代においては肝移植である。しかし,肝移植は臓器提供が不可欠であり,移植治療までの長期に及ぶ待機時間がドナー不足に起因する大きな問題となっている。また2008年には国際移植学会が中心となり,臓器・組織の取引や移植ツーリズムの禁止を宣言1)し,自国での脳死移植が推奨されている中で,日本での脳死肝移植症例は1997年の臓器移植法施行より2010年3月まで67例と決して多くはなく2),肝移植を代替する新しい治療法の開発が求められている。本稿では肝障害に対する肝細胞移植について紹介し,今後のその将来展望を概説する。