精巣の機能は造精と内分泌である。アンドロゲンは主に精巣の間質細胞で産生され,全身臓器に働く。一般にアンドロゲンは免疫の抑制,エストロゲンはその亢進に働くとされ,免疫関連疾患や感染症,腫瘍の病態には性差がある。動物からの知見では,性腺摘出はそれら疾患の発症や病理に影響し,ヒトでも性別適合手術やホルモン投与による類似の変化が示唆される。一方,精巣は免疫特権領域としての特徴をもち,その破綻は造精障害を導き得る。すなわち,精巣と免疫は相互に機能を制御しており,その関係の理解が重要である。
特集 生殖内分泌学と生殖免疫学の接点
種横断的な知見から考える精巣と免疫のかかわり
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.30 No.3 45-52,
2023
著者名
大谷 祐紀
/
市居 修
/
昆 泰寛
記事体裁
特集
/
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
精巣,免疫,アンドロゲン,性腺摘出,自己免疫疾患
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。