子宮内膜は女性生殖器のなかで最も多くの免疫細胞から構成される。子宮内膜局所における免疫は,病原微生物から母体を防御する一方で,胚を受け入れるための分化を促す相反する機能を有している。免疫細胞の多くは性ステロイドホルモン受容体を発現していないが,月経周期・妊娠期におけるホルモンの変動とともに,子宮内膜での動態と機能を変化させている。子宮内膜は,その構成細胞により発現されるシグナルを介して相互作用し分化する。本稿では,子宮内膜免疫細胞の動態と機能の変化を述べるとともに,われわれが明らかにしてきた免疫細胞を制御する局所シグナルを発現する間質細胞の転写制御機構について述べる。
特集 生殖内分泌学と生殖免疫学の接点
子宮内膜免疫細胞の動態と機能
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.30 No.3 39-44,
2023
著者名
村田 紘未
/
田中 進
/
岡田 英孝
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
/
産婦人科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
脱落膜,プロゲステロン,子宮内膜間質細胞,IL-15,LGALS9
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。