排卵後に形成される黄体は,プロゲステロンを分泌することで妊娠の成立に寄与している。妊娠は母体にとって“異物”とも考えられる胚を許容する現象であるため免疫学的観点の研究が進んでおり,黄体機能調節にも免疫機構が関与する。排卵前の卵胞周囲や黄体組織には多様な免疫細胞が存在し,サイトカインなどを分泌することで血管新生,プロゲステロン合成や細胞死などを調節する。また,免疫細胞が胚からの情報を黄体組織などに伝達し,妊娠の準備を開始する可能性も存在する。本稿では,黄体機能制御における免疫細胞の役割について概説する。
特集 生殖内分泌学と生殖免疫学の接点
多彩な免疫細胞による黄体機能調節の可能性
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.30 No.3 25-32,
2023
著者名
白砂 孔明
/
宮本 明夫
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
プロゲステロン,免疫細胞,サイトカイン,妊娠免疫寛容
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。