膠原病やCOVID-19,結核などさまざまな感染症には感受性や予後の性差がある。その原因はT細胞やB細胞が性ステロイド受容体を発現し免疫応答への影響を受ける点にある。一般に,テストステロンは抗炎症作用があるが,エストロゲンは低濃度ではTh1誘導,高濃度ではTh2やTreg誘導といった二面的作用がある。さらにエストロゲンは胚中心でAID遺伝子の活性化によるB細胞の親和性成熟と自己反応性細胞の誘導に関与する。他にも女性では両親由来のX染色体の不活化や妊娠によるマイクロキメリズムがあり,性差医療を行うには内分泌・免疫病態の理解が重要である。
特集 生殖内分泌学と生殖免疫学の接点
性ステロイドによる免疫調節
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.30 No.3 11-18,
2023
著者名
早川 智
/
早川 直
/
早川 純子
記事体裁
特集
/
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
Th1/Th2,Th17/Treg,AID,親和性成熟,自己反応性リンパ球
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。