エコチル調査は2010〜2013年に妊娠・出産した全国の親子約10万組を長期追跡している国内最大のコホート調査である。低出生体重・早産・在胎不当過小(small for gestational age;SGA),妊娠糖尿病,妊娠高血圧症候群,産後うつ,先天奇形など,さまざまな周産期予後について,環境物質(重金属など)への曝露,喫煙・飲酒などの生活習慣,貧血・葉酸摂取・体重増加などの栄養・食事摂取状況,社会経済的背景などの影響が報告されている。特に,低出生体重児率については,妊婦の体重増加不良,鉛・喫煙への曝露,妊娠高血圧症候群の発症,妊娠前のやせ,などが要因として寄与率が大きいことが報告された。