子宮内膜症の好発部位は骨盤腹膜,卵巣,ダグラス窩であることが知られている。これらの好発部位以外に発生する子宮内膜症を総称して,稀少部位子宮内膜症と呼ぶ1)2)。具体的には尿管,膀胱,腸管,鼠径部,臍,肺などに発生する子宮内膜症で,それぞれ尿管子宮内膜症など子宮内膜症に発生部位を付けて呼ぶことが一般的である。頻度としては,すべての稀少部位子宮内膜症を合わせて子宮内膜症全体の1割以下で,それぞれのものは1%以下から数%程度である。