胎盤形成において,絨毛を構成する栄養膜細胞の生理機能の解明とともに,脱落膜を構成する細胞群との相互作用が明らかになりつつある。子宮内膜を構成する子宮内膜間質細胞は,プロゲステロンの作用により脱落膜細胞へ分化し,胚の着床,栄養膜細胞の浸潤制御に加えて,胎盤形成において重要な役割を果たす。脱落膜細胞は種々の母体免疫細胞とともに脱落膜を構成し,これらは栄養膜細胞とともに複雑な相互作用を示し,胎盤が形成される。これらの細胞の相互作用の理解は,胎盤形成不全に起因する周産期疾患の病態の解明に必須である。
特集 子宮内膜機能の基礎と臨床
子宮内膜機能と胎盤形成
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.29 No.3 59-64,
2022
著者名
山口 宗影
/
近藤 英治
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
子宮内膜間質細胞,脱落膜化,栄養膜細胞,母体免疫細胞,胎盤形成
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。