生物の概日リズム制御を司る時計遺伝子の発現は,生殖,発生そして生命の維持において重要な役割を果たす。概日リズムは時計遺伝子群の周期的な発現により形作られ,このような時計遺伝子群の発現変化が多数の遺伝子に約24時間周期の発現変化をもたらしている。現代社会では,深夜業への従事や朝食欠食が一般化しており,概日リズムと活動時間の解離が恒常的に起きている。そして中枢概日時計がLHサージに関与すること,また,時計遺伝子欠損マウスで子宮・卵巣の縮小,黄体ホルモン低下,不妊が報告されており,生殖と時間生物学の関わりが注目されている。われわれは概日リズムの乱れと産婦人科疾患発症との関連を検証しており,今回その一端を紹介したい。
特集 子宮内膜機能の基礎と臨床
子宮内膜機能と時計遺伝子
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.29 No.3 29-35,
2022
著者名
小野 政徳
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細野 隆
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藤原 浩
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久慈 直昭
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西 洋孝
記事体裁
抄録
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特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
/
産婦人科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
概日リズム,時計遺伝子,体内時計,不妊症,不育症
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。