妊娠の成立には胚の子宮内膜への接着から始まる着床が必須である。着床には胚と子宮内膜との緊密なコミュ二ケーションが必要であり,近年,細胞間情報伝達機構として細胞外小胞の役割が注目されている。細胞外小胞は産生機構の違いから①エクソソーム,②マイクロベシクル,③アポトーシス小胞に分類される。そのなかでもエクソソームは50〜150nm程度のサイズのエンドサイトーシス過程で形成されるエンドソーム膜由来の小胞であり,脂質二重膜で構成され,なかに蛋白質,核酸などを含有し,これらが細胞間の情報伝達機構として重要な役割を果たす。着床の際にも胚は子宮内膜からさまざまな情報を受けとることにより,着床しやすい環境が提供されている。
特集 子宮内膜機能の基礎と臨床
子宮内膜機能とエクソソーム
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.29 No.3 23-28,
2022
著者名
澤田 健二郎
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
エクソソーム,細胞外小胞,細胞間コミュニケーション,子宮内膜,着床
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。