ゲノム編集技術はDNA塩基配列を書き換える革新的技術として開発された。多くの研究者がその技術に改良を重ね,今やDNAのみならず,RNAやエピゲノム修飾までもが編集の対象となり,生命科学研究の幅広い分野に影響を与えている。生殖工学分野では受精卵でのゲノム編集が可能となり,それによって,これまでES細胞の樹立が困難だった多様な生物種において遺伝子改変動物の作製が容易になった。本稿では,ゲノム編集の医学研究における歴史に,ゲノム編集を生殖医療に臨床利用した場合の問題点を交えて紹介する。
特集 受精と胚発生をめぐる話題
受精卵のゲノム編集
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.29 No.1 31-36,
2022
著者名
石田 紗恵子
/
真下 知士
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
ゲノム編集,CRISPR-Cas9,DNA,オフターゲット,受精卵
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。