多くの哺乳類は母体の環境に応じて着床前の段階で胚発生を休止させることで,出産時期をコントロールする能力を潜在的にもっている。加えて,ヒトやサルなどの霊長類の妊娠過程にも関わっている可能性が報告されるなど,発生休止現象は基礎的にも応用的にも非常に興味深い現象であるが,分子学的な研究はあまり進んでこなかった。筆者らは現在,発生休止の研究を進めており,本稿では発生休止現象の秘める可能性について最新研究を踏まえて紹介する。
特集 受精と胚発生をめぐる話題
哺乳類着床前胚における発生休止
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.29 No.1 25-29,
2022
著者名
浜崎 祥生
/
髙岡 勝吉
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
発生休止(embryonic diapause),着床
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。