わが国において,脂質異常症は食生活の欧米化や肥満の増加を背景に増加している。脂質異常症は糖尿病や高血圧,喫煙などと並び動脈硬化性疾患の主要なリスク因子である。女性においては,閉経後から脂質異常症が増加し,かつエストロゲンによる動脈硬化保護効果が欠落してくるため,高齢に伴い動脈硬化性疾患のリスクが高くなる。したがって,女性医学を実践する医師は脂質異常症の定義および管理の概略を理解し,適切な生活指導および初期治療を行うとともに必要に応じて専門医に適切に紹介できるようになる必要がある。本稿では,日本動脈硬化学会が出版する『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版』および『動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2018年版』に基づき,脂質異常症の定義および管理方針についての概略を解説する。
特集 女性医学からみた脂質代謝異常
脂質異常症の管理
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.28 No.4 43-49,
2021
著者名
澤田 健二郎
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
脂質異常症,高LDL-C血症,冠動脈疾患予防,スタチン,エゼチミブ
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。