子宮筋腫は女性に生じる最も頻度の高い腫瘍の1つである。良性腫瘍ではあるものの,過多月経や月経痛に加えて不妊の原因となるなど,臨床的に重要な疾患であることはいうまでもない。近年の次世代シーケンシング(NGS)を用いた腫瘍のゲノム学的研究の進歩は目覚ましいものがあり,癌などの悪性腫瘍にとどまらず,種々の良性腫瘍の背景遺伝子異常が同定されてきた。子宮筋腫に関しては,2011年にMED12遺伝子の変異が報告され,以降,エビデンスの蓄積が進んでいる。本稿では子宮筋腫についてゲノム病理学的観点から概説する。
特集 ゲノム時代の生殖内分泌学
ゲノムと子宮筋腫
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.28 No.2 15-19,
2021
著者名
前田 大地
/
小山 慧
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
/
癌
診療科目
産婦人科
/
腫瘍内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
平滑筋腫,MED12,HMGA2,フマル酸ヒドラターゼ(FH),COL4A5-COL4A6
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。