骨粗鬆症は「骨強度の低下を特徴とし,骨折のリスクが増大しやすくなる疾患」と定義される1)。骨強度は骨密度と骨質の2つの要因からなり,骨密度がほぼ70%,残りの30%が骨質により説明できるとされている。骨密度は骨形成と骨吸収のリモデリングにより維持されている。したがって,骨密度の低下は骨吸収の亢進が骨形成を上回ることにより起こる。閉経によるエストロゲン欠乏,加齢による筋力低下や寝たきりの不動などにより骨密度が低下する。それに加え,酸化ストレスや糖化の亢進,カルシウムやビタミンDやK欠乏などによる骨質の低下により,骨の脆弱性が亢進することで骨粗鬆症は発生する。日本人では50歳の女性が生涯に椎体骨折を起こす確率が約37%である。患者数は1,280万人(男性300万人,女性980万人)と推定されており2),中高年女性にとっては“common disease”である。