近年,子宮内膜症が血管内皮機能障害,動脈硬化,将来の心血管疾患のリスクを増加させることが明らかとなっている。子宮内膜症の慢性炎症部位では,サイトカインやC反応性蛋白(CRP)が生成され活性酸素が増加し酸化ストレスが亢進する。慢性炎症と酸化ストレスは,血管内皮機能を損傷し,動脈硬化の進行と心血管疾患の発症に寄与する。子宮内膜症では,ライフステージ別に外科的治療や内分泌治療を選択する必要があり,これらと心血管リスクの関連についても今後の解明が待たれる。