肥満者は糖尿病・高血圧・脂質異常症や動脈硬化性心臓血管病を合併しやすいが,その程度には性差がある(男性>女性)。皮下脂肪型肥満と比べて内臓脂肪型肥満では代謝異常をきたしやすく,本来脂肪が蓄積しない臓器への脂肪沈着である異所性脂肪も代謝異常に関わる。これら体脂肪分布における性差は,性ホルモンによる代謝活性の違いを基盤としており,代謝異常や肥満関連合併症の性差の要因となっている。