分娩時や分娩後には子宮体部の平滑筋が効率的に,協調して収縮することが必要である。これには収縮関連蛋白質(CAPs)が大きく関与している。羊水塞栓症事業を委託されている当教室に送付される子宮組織の検討により,後産期急性子宮筋層炎(PAM)では,CAPsに含まれるconnexin43(Cx43)やオキシトシン受容体(OXR)の発現が減少し,またブラジキニン受容体B1Rの発現が増加していることがわかった。これらの変化により収縮薬に不応性の分娩後重症子宮弛緩を呈していると考えられる。この病態生理に基づく子宮弛緩の治療薬剤としてC1インヒビターを使用した多施設共同研究を行い,多くの症例で子宮収縮が得られている。
「KEY WORDS」収縮関連蛋白質,postpartum acute myometritis,アナフィラクトイド反応,ブラジキニン,C1 インヒビター