動脈硬化の発症,進展,破綻  血管は血液を全身に運ぶ臓器であり,その血管壁は血管内皮細胞よりなる内膜,平滑筋細胞よりなる中膜,外膜,膠原繊維,繊維芽細胞などによって構成されている.血管内皮は解剖学的には血管壁の最も内層に位置しており,血管内皮細胞による一層の細胞層よりなっている.血管拡張因子としてNO,プロスタグランジンI2,C型ナトリウム利尿ペプチド,内皮由来過分極因子,血管収縮因子としてアンジオテンシンⅡ,エンドセリン,プロスタグランジンH2,トロンボキサンA2といったさまざまな生理活性物質が内皮細胞より産生・分泌されることによって1),血管の拡張と収縮,血管平滑筋の増殖と抗増殖,凝固と抗凝固作用,炎症と抗炎症作用,酸化と抗酸化作用を介することで,血管トーヌスや血管構造の調節において血管内皮細胞は重要な役割を果たしている.