「Summary」視床下部に細胞体が存在し,脳のほぼ全域に投射をもつオレキシン神経系は覚醒状態を維持する神経系であるが,単に目が覚めているという状態を生みだしているだけでない。覚醒に伴って呼吸・循環・体温などの自律神経によって調節される生体機能が活性化されるのにも不可欠な神経である。外界からのストレスや内部からの食欲などの動機づけによって探索行動や運動が開始される際に,自律機能がさらに活性化されるのにも必須の神経系である。すなわち,睡眠・覚醒状態に伴う行動変化や自律機能変化を一斉に生じさせるマスタースイッチの役割も果たしている。この神経系が完全に障害されると覚醒状態を適切に維持することができなくなるばかりでなく,覚醒に伴う呼吸の活性化や麻酔時の体温維持が障害され,睡眠時無呼吸は増悪される。
「Key words」ナルコレプシー,睡眠時無呼吸,呼吸化学反射,麻酔薬,入眠剤
「Key words」ナルコレプシー,睡眠時無呼吸,呼吸化学反射,麻酔薬,入眠剤

