「Summary」睡眠パターンは,さまざまな動物種の老化過程において著しく変化することが知られている。哺乳類において,視床下部は老化・寿命制御の上位中枢として機能する。そのなかで,特に視床下部背内側核の哺乳類サーチュインSIRT1が重要な役割を果たしている。最近われわれは,SIRT1が背内側核特異的に発現している遺伝子を介し,睡眠構築に変化を与えず睡眠の質を制御していることを見出した。この結果は,視床下部内に共通した分子メカニズムが,睡眠の質や老化に伴う生理学的変化を制御することを示唆している。このような視床下部の生理学的重要性を分子レベルで解明していくことは,睡眠が老化を規定する生理学的要因となる可能性を探る鍵となることが期待される。
「Key words」視床下部背内側核,slow-wave sleep(SWS),NREMデルタ波,サーチュイン