「Summary」持続陽圧呼吸(CPAP)療法は十分な治療効果が得られ欠点の少ない治療法であるが,生涯にわたり継続する通院治療に不安や不満をもつ患者がいる。一方で,口腔装置(OA)療法はCPAP療法と同じ対症療法であっても不満の対象にはなりにくい。OA療法の適用にはCPAP療法のように健康保険上の制約はないため,CPAP療法に代替できると期待されることがある。はたして代替可能か,そのためには重症度が過小評価される恐れのある簡易検査ではなく,重症度が厳密に評価される終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)で判断しなければならない。実際にOAをCPAPに代替することができても,CPAPを離脱しないでOAで補完する併用療法のほうが有益な場合がある。特にCPAPの圧設定を変えないで治療効果を増強する同時併用療法は,圧変化に敏感な鼻閉症例などに有効である。したがってOA療法の位置づけは,CPAP療法かOA療法かの二者択一ではなく,両者の併用にあると考える。
「Key words」口腔装置,顔面軸角(Fx),CPAP補完,交代併用,同時併用