「Summary」黄砂は中国大陸内陸部の乾燥・半乾燥地域の土壌・鉱物粒子が広範囲に飛散し降下する現象である。飛行ルートによって人為起源の汚染物質を多く伴う黄砂と土壌成分が主体の黄砂が存在する。近年になり黄砂によって全死亡率が増加し,呼吸器・循環器疾患あるいは脳血管疾患の救急受診や入院頻度が増加することが報告されている。喘息に関しても小児喘息の入院を増加させ,小児,成人のいずれにおいても症状が増悪し呼吸機能が低下することが明らかになりつつある。
「はじめに」砂漠地帯で発生する砂嵐は健康に影響するが1),吹き上げられたダストは長距離を飛散するため,その健康への影響も広範囲に及ぶ2)。中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠,ゴビ砂漠や黄土高原などを起源とする砂嵐は黄砂と呼ばれ,その規模は世界で2番目であり,飛散する砂塵の量は世界の砂嵐のおおよそ20%を占める3)。黄砂は北米に到達し,ときに地球を一周することも報告されている。
「Key words」黄砂,喘息,入院,症状,呼吸機能