アメリカ医療の現実―ある日本人開業医のたより―
第2回 アメリカの医療保険制度について
掲載誌
THE LUNG perspectives
Vol.20 No.3 114-118,
2012
著者名
小林秀一
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
THE LUNG perspectives
アメリカの医療保険の仕組みは非常に複雑です. 当地で実際に医療に携わる私自身も, いまだにその全貌を把握しきれていません. 保険の仕組みが複雑である理由は, 公的保険と民間保険が混在していること, 保険の種類とポリシーが多様であること, 医療費を抑えるためにマネージドケアという制度が導入されていること, などです. アメリカで医療機関を訪れ, 公的保険で一本化されている日本の仕組みとの大きな違いに戸惑われる日本人は少なくありません. 「SiCKO(邦名:シッコ)」という映画をご覧になったことはあるでしょうか. 社会風刺映画を手掛けてきたマイケル・ムーア監督がアメリカの医療保険制度の問題点を皮肉った作品. 映画の冒頭にこんなエピソードが出てきます. ある大工が不注意で手の中指と薬指を切断してしまいました. 救急病院を訪れた彼は, 指を接合するための治療費が, 中指が6万ドル, 薬指が1.2万ドルであり, 彼の医療保険では全額の支払いはされないことを告げられます.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

